あくあたんはヒョウモントカゲモドキの夢を見るか

omznです.この記事はあくあたん工房 Advent Calendar 2022の2日目です.

2022年は自宅でヒョウモントカゲモドキを3匹飼い始めました.
あくあたんがイモリの化身で,ヤモリを毛嫌いしていることは広く知られているところですが,ヒョウモントカゲモドキはヤモリの仲間です.
あくあたんもやがて融和の時を迎えるのでしょうか.

今日はヒョウモントカゲモドキの魅力について述べていきましょう.

飼い始めると分かりますが,ヒョウモントカゲモドキは実にペット向きに進化した仕様を持っている爬虫類なのです.

飼育環境

爬虫類用のケージに赤玉土などの底床を敷き,1匹に1カ所の隠れ家(シェルター)を作ってやります.湿度を保つために,水入れなどを用意し,流木などで運動もできるレイアウトを整えてやります.

乾燥に強い

野生ではパキスタン〜アフガニスタンあたりの砂礫地帯に住むため,乾燥にとても強いです.これは乾燥しがちな室内で飼う際の大きなメリットになります.

食いだめが可能

さほど獲物が豊富なところに住まないので,食べられるときにおなかいっぱい食べて,尻尾に脂肪を蓄えます.餌をやるのを忘れがちでも大丈夫です.

人工餌でもOK

基本は昆虫(コオロギなど)を食べるのですが,フードにも慣れます.そのため餌の確保が簡単です.

生き餌もOK

コオロギなどの生き餌を与えると張り切って食べるのを見ると癒やされます.虫耐性がないとちょっと難しいところですね.ちなみに,生き餌をやり始めると,飼い主が外を歩く際にバッタやコオロギを無意識に探すようになります.今年の秋は山登りをするたびに数十匹のコオロギを捕獲していました.下は,山で見つけたモリオカメコオロギです.野趣あふれる味わい.

ヨーロッパイエコオロギは養殖コオロギの代表格で,1匹5円〜20円ぐらいで入手できます.コオロギが無限に入手できたら嬉しいですよね.うん,じゃあまず100匹ぐらいから育ててみましょう.

排泄が合理的

排便はいつもほとんど同じ場所に行います.犬猫でもトイレトレーニングしないと同じところでできないのに,彼らは最初から同じ場所でします.また,大きめの便を散らかさずに一度にするので,ピンセットでつまんでポイでお掃除が終わります.
さらに,液体の尿を出さないので,ケージの底床が汚れにくいのもありがたいです.乾燥地帯に特化して,液体は意地でも外にださないという体になっているのですね.では,尿はどうするのか?実は便と同時に尿酸の塊を排出します.つまり最初から結石を排出するのです.そのため,ケージ内でウンチを捜索する必要がほとんどありません.これはずぼらな人間にはとてもありがたい仕様です.ちなみにうちの子たちは3匹とも同じシェルターをトイレにしています.休息に使うにはちょっと小さめだったシェルターだったのですが,トイレにはちょうど良いらしく,お尻から入っていってウンチして出てくる,というお行儀の良さを見せてくれます.

また,秋にメスの1匹が無精卵を産んだのですが,このときもここを産卵場所にしていました.出てくる物は何でもここですることにしてる??

飼育サポートIoTデバイス

飼育のサポートをするために,M5Stack などを用いたIoTシステムをケージ周りにはり巡らせています.

照明システム

あくあたん水槽管理とほぼ同じシステムを流用しています.時間に応じて照明を制御します.

モニター

下で説明する温湿度管理・給餌回数管理・扉開放検知をM5Stack Core2の1つのデバイスで可能にした物です.サーバに貯めたデータをAPIで取得し,値やグラフの表示を行います.

温湿度管理

ヒョウモントカゲモドキは乾燥地帯に住むとはいえ,意外に湿度も必要とします.特に,隠れ家内は高湿度であったほうが望ましいようです.

そのため,ケージ内3カ所に温湿度センサーを置き,常にモニターしています.温湿度センサーはM5Unit Env IIIATOM Liteで利用します.今のところ,湿度を自動で添加できるようにはなっていません.そこまでする必要はないかなと思っています.

また,温度に連動してヒーターの制御も行っています.市販のヒーターは温度制御もできるのですが,せっかくなので自力で制御を作っています.
ATOM HUB スイッチキットを利用して,温度に応じたOn/Offを行っています.

給餌回数管理

どの子にいつ何回ご飯あげたっけ?という疑問を解決するために,個体別にいつ餌をあげたかを管理する仕組みを作りました.(手動)
過去10日間のグラフも見ることができ,餌の食べ具合を確認できます.

扉開放検知

脱走される原因は餌をやるときに扉を開けっぱなしにすることです.ちゃんとロックをかけないと自分で押して開けてしまいます.
そのため,わずかな扉のずれも感知して,一定以上の時間開放されていたら警告を鳴らすようになっています.
センサーには車のDIY部品のエーモン 【3229】開閉連動スイッチを使っています.マグネット連動の開閉スイッチなので検知の微調整を距離で行うことができます.

警告は,温湿度のグラフや給餌回数管理の画面でもモーダルなアラートとして割り込んでくるため,必ず何かの対応をしないといけないようになっています.
警告音もそれなりに大きいので,家に居れば気づきます.

過去の遺産の継承

今回のシステムを構築するに当たっては,ほとんどのサブシステムがこれまでにあくあたんや家のIoTなどで作ったものを一部改良することで,できてしまいました.いろいろな物を作り,それを再利用可能な形で保守できると,新しい何かを作るときのハードルがすごく下がりますよ!