今年1年のそふらぼ教授部屋

ヤモリ教授omznです.

ことしのomzn周辺で起こった話をつらつらと.

今年のレオパケージ

昨年生まれた3匹がどんどん成長していきました.

  • Groot → 95g
  • Good → 54g
  • Star → 50g

親世代もだいたい50g前後なので,そのあたりが標準体重なのでしょうが,Grootだけ突出してでかいです.
一応,レオパには「ジャイアント」という品種があって,90〜120gになるらしいのですが,こいつだけジャイアントの遺伝子が発現してるのかなと思うぐらいでかい...エサも他の子の2倍ぐらい食べます.


なお,全員メスだと思い込んで同居させていたのですが,Starはオスだったことが発覚しました.
気づいたときには,Goodのお腹が大きくなってきてしまい,現在,絶賛孵卵中です.

Star君は単独で隔離され,そのあおりで,親世代のVee君がそふらぼに連れてこられる羽目になりました.

現在,自宅に3ケージ,らぼに1ケージの4ケージ態勢です.

エサ

今年から,今まで手を出さなかったエサ,「デュビア」にチャレンジしています.
デュビアってのは学名の一部なんですが,和名は「アルゼンチンモリゴキブリ」です.
環境に漏出すると大変な感が漂いますね.

しかし,フタホシコオロギに比べて利点が多いのです.

  • 草食性なので臭くない
  • 共食いしない
  • 鳴かない
  • 耐久性が強い
  • 育ちが遅い

怖い点としては以下.

  • Gである
  • 成虫は5cm越えに成長し,圧が強い

繁殖も簡単っぽいので,何匹か成虫を残して育ててみようと思っています.

あくあたん

あくあたん水槽システムにとっては,今年は激動の年になりました.
部屋の改修に伴って,これまでの水槽を全て撤去し,全く新しく水槽を1つ作ってやることに.

新水槽には霧発生装置から定期的に霧が出ます.

カメラ移動はロボットアームに任せることになり,謎感とレゴ感が減ったのはちょっと悲しいです.

Mac博物館

念願のMac博物館も開設しました.みんな可動実機です.

そふらぼに連れてこられたVee君

まとめ

時間が無かったので,今年はこれぐらいで.

みなさんHappy Merry Holidays and Happy New Year!

崔 銀惠博士を偲んで

崔 銀惠博士を偲んで

私の妻であり,共同研究者でもあった,崔銀惠博士は2019年12月15日に逝去しました.享年45歳でした.4年間の闘病の甲斐なく,誰よりも先に旅立っていってしまいました.

崔銀惠博士は1993年に大阪大学大学院基礎工学部情報科学科に入学,1997年に大阪大学大学院基礎工学研究科情報数理系専攻博士前期課程に進学し,1999年に修士(工学),2002年に博士(工学)を取得しました.博士論文は「k-Coteriesを用いた相互排除方式の提案」でした.その間,日本学術振興会の特別研究員にも採択されており,とても優秀な学生でした.
2002年に株式会社東芝に入社,研究開発センターに配属されました.Xpathの検索技術などを研究し,国内外での特許も取得しています.2003年に退社し,その後,2004年に産業技術総合研究所(産総研)の非常勤研究員となります.産総研ではモデル検査や形式手法についての研究を行い,後に組み合わせテスト技法の研究を中心に行うようになります.正規雇用に転換した後,主任研究員として京都工芸繊維大学や大阪大学との共同研究を精力的に行いました.

彼女は生涯に61本の論文を公表しました.[論文一覧]うち22本は私との共著であり,そのほとんどは2015年以降に書かれたものでした.それ以前は,子育てなどもあり,あまり共同研究ができる環境ではなかったため,やっと二人で研究ができると喜んでいたのを覚えています.

共著論文として執筆したものの中で印象に残っているものはQuASoQ2016の論文「Code Coverage Analysis of Combinatorial Testing」[1]です.この研究では組み合わせテストにおける,t-wayテストのコード網羅性を実証的に調べたものです.これまで,t-wayテストはtが割と小さいときでも十分な不具合検出ができることは知られていましたが,コード網羅性については十分に研究されていませんでした.そこで,我々は実際のソフトウェアのデータを用いて網羅的な実験を行い,実用的なコード網羅性が得られるtの値を調べたのです.私は実験のためのツールを作り,データを取り,妻が論文を書く,という分担がしっかりできた初めての研究でした.ワークショップに発表した後,さらに実験を加えて論文誌に投稿する予定でしたが,道半ばで病を得てついに実現しませんでした.落ち着いたら実験の過程を再現して何とか投稿したいと思っています.

他にも彼女は研究のアイディアを多く語ってくれていましたが,研究のことでは「どちらがどのアイディアを出したのか」をいつも確認しながら話を進めていました.彼女はプロ研究者として,大学にいる私の甘い部分をよく指摘してくれました.本当は,あまり新しいことを考えるのは得意ではないため,できたら論文の校正や論理の補強みたいなことが仕事になれば良いのに,とも漏らしていましたが,それは自分の能力に対する謙遜が過ぎていたと思います.しかし,論文に朱を入れている時は,本当に楽しそうでした.

私の研究室の学生に産総研でRAとして働いてもらいながら,共同で研究を進めるスキームを確立してくれたのも彼女でした.多くの学生がその恩恵を受けています.学生の成長していく姿を見ながら「かなりしっかりしてきたね」と喜ぶなど,教育者としても大いに活躍できたはずでした.
(2024年追記) 妻と共に指導して博士を取得した西浦生成先生が,当研究室に助教として着任してくれました.感慨もひとしおです.

彼女は常に外の世界を向いていました.短期で海外へ出張・旅行するのも好きでしたし,長期で行くのももちろん好きでした.2012年に念願叶ってカナダへ行ったときには,現地の人に移住するつもりなのかと思ったと言われるほど,その地に溶け込もうとしていました.韓国や日本の雰囲気は彼女にあまり合っていなかったのかもしれません.

彼女に出会ってから23年,パートナーとしても16年,彼女の思い通りになっていなかった時期のほうが長かったのかもしれません.やっと安定して研究に取り組める状況になったのに,このようなことになったのは本当に悔しく,無念だったろうと思います.

今の私にできるのは,せめて彼女が心配しないように,がっかりしないように,研究を続けていくことでしょう.それでも、私が道に迷ったときに隣にいてくれて相談できないのは本当に寂しく辛いことです.

[1] Eun-Hye Choi, Osamu Mizuno, and Yifan Hu, “Code Coverage Analysis of Combinatorial Testing,” In Proc. of 4th International Workshop on Quantitative Approaches to Software Quality (QuASoQ 2016), pp. 34-40, December 2016.

LaTeX文書からテキストだけを改行無しで取得する

LaTeX文書からテキストだけを改行無しで取得する

LaTeX文書からテキストを抜き出したい場面は結構あります.(私は主に英文校正に出す時ですが,世の中にはWord文書でしか受け付けてくれない○○なジャーナルとかあったりするので,Wordへの流し込みをするときにも必要ですね…) それを可能な限り手出しする量を減らしたい場合にどうすれば良いかのメモです.

pdftotextを使う

xpdfに付属するpdftotextを使います.Macなら,

$ port install xpdf-japanese

で一発です.

使い方ですが

$ pdftotext submit.pdf

とすれば,submit.txtにテキストが保存されます.
改ページ(^L)がいくつか残るのと,itemizeのポチが文字化けすることを除けば,テキスト自体の変換効率はとても高く,ほとんどそのまま使えます.

追記

xpdf には pdftotext が付属しなくなっていた.
替わりにxpdf派生プロジェクトのpopplerをインストールすればよい.

$ port install poppler

おわり.

カナダへの派遣

カナダへの派遣

突然ですが,水野は学内の若手教員海外派遣プログラムに採択されることになりました.
2012年3月より2013年1月までの10ヶ月間,カナダのQueen’s Universityに滞在する予定です.

研究室の皆さんとはネット経由でのミーティングなどを行います.Redmineやgitなどのシステムを導入したのはこの日のためです.なんとか乗り切って参りましょう(勝手だなあ…).

長期に他機関へ行き,別の文化の下での研究活動を行うことは私の長年の希望でした.前職の間は諸事情により叶いませんでしたが,KITの制度で派遣させてもらえることになったのは,天佑のようなものです.大変なご迷惑を掛けるにもかかわらず,気持ちよく送り出してくれる,部門の先生方に感謝します.

来年度は多方面に様々なご迷惑をおかけすると思いますが,なにとぞご容赦頂きたく存じます.