IoT デバイスのファームウェアは,バグや不具合によって脆弱性を含む可能性がある.そのため,ファームウェア開発における不具合の原因を特定することは重要である.本論文では,ファジングの際にIoT デバイスから関数呼び出しの履歴をトレースし,得られた不具合からフォールトローカライゼーションの手法を用いてその原因を推定する手法を提案する.具体的には,ESP32 マイクロコントローラをIoT デバイスとして用い,gcc の機能,およびESP-IDF のApplication Level Tracing Library を用いて関数呼び出し履歴を取得する.その後,Spectrum Based Fault Localization の手法を用いることにより,不具合を含む関数呼び出しを推定する.そして,実際のIoT プロジェクトに対して本手法を適用し,本手法が不具合の原因の特定に寄与するケースが存在することを説明する.最後に,本手法を適用できるケースについて議論する.