学位論文
masterthesis
物体の柔軟性提示機能を備えたロボットハンド遠隔操作デバイスの開発
  • 2026年2月
  • 修士学位論文 / 京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 /
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概要

近年,仮想現実(VR)や遠隔操作分野において,操作者に物体との接触感や力の作用を伝達する触覚提示デバイスの重要性が高まっている.視覚情報のみでは把握が困難な接触状態や物体の硬さ・柔軟性を触覚として提示することで,操作精度や臨場感の向上が期待されている.これまでに振動フィードバック型,ワイヤ駆動型,モータ駆動型といった様々な方式の触覚提示デバイスが提案されてきたが,触覚再現性,装着性,使用者への負担,および操作の自然さといった点で課題が残されている.これらの課題に対し,従来の研究では,指腹に対してブレーキ機構による拘束を与えるワイヤ駆動型触覚提示デバイスを試作・開発し,その有効性を検証した.また,ワイヤの引張量をリニアエンコーダにより計測することで触覚提示と同時に手指の姿勢推定を行う構成も採用した.しかし,駆動部の発熱に起因する動作不安定性,ブレーキ機構の追従性不足による誤作動,非接触時における指の動作拘束,および装着時の不快感といった複数の課題が明らかとなった.そこで本研究では,これらの課題を解決することを目的として,デバイス構成および制御方法の改良を行い,新たなワイヤ駆動型触覚提示デバイスを提案した.提案デバイスでは,駆動部にコアレスモータを採用することで発熱の低減と動作安定性の向上を図るとともに,電磁クラッチを導入することで,物体非接触時にはブレーキ機構を切り離し,接触時のみ指腹に拘束を与える構成とした.さらに,センサを歪みゲージに変更することで,接触判定の即応性および安定性の向上を図った.提案デバイスの有効性を検証するため,本研究では硬さおよび材質の異なる試料を用いた二者比較実験,ならびにスポンジ識別実験を計画した.二者比較実験では,デバイス触覚条件と間接触覚条件を比較し,硬さ知覚の再現性を評価する.また,スポンジ識別実験では,視覚情報の有無が柔らかさ知覚および主観的評価に与える影響を検討する.これらの実験を通じて,提案デバイスが遠隔操作環境において物体の柔軟性をどの程度提示可能であるかを明らかにすることを目的とする.
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