Thesis
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異なるプログラミング言語間でのコードクローン規模の調査
  • February 2023
  • 卒業研究報告書, 京都工芸繊維大学 /
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Abstract

ソースコード中に存在する構文的,意味的に一致,または類似したコード片はコードクローンと呼ばれ,一般にソフトウェアの保守を難しくする原因の一つと言われている.その保守を容易にするために,コードクローンの検出を自動的に行うツールの開発が行われてきた.現在ソフトウェア開発の需要と共にプログラミング言語の多様化は進んできた.プログラミング言語の特徴や使用範囲等は様々であるため,検出されるコードクローンの特徴についても異なる可能性がある.その差異について調べることで,各プログラミング言語に必要なコードクローン検出による支援の違いを明らかにできる.本論文ではその前段階として,9 個の人気なプログラミング言語に対してコードクローン規模の調査を行い,プログラミング言語とコードクローン規模の間にはどのような関係性があるかを明らかにした.具体的には,PYPL から選択した9 個の人気なプログラミング言語についてGitHub 上からリポジトリをそれぞれ30 個選択し,コードクローン検出を行ってその結果を分析した. 調査の結果,全てのプログラミング言語についてコードクローン検出数の分布は小さい値への偏りを示したが,統計的検定を行ったところ,コードクローン検出数はプログラミング言語間で有意な差があった.また,C,C++,Objective-C 等の派生関係にあるような構文的に類似するプログラミング言語間では,コードクローン検出数の分布や,有意な差があるプログラミング言語が類似していた.さらに,プログラミング言語間の有意差の有無と特徴の違いの有無についてカテゴリカルデータ分析を行ったところ,プログラミングパラダイム,コンパイルクラス,タイプクラスといった構文に与える影響が小さい言語クラスは,プログラミング言語間の有意差に与える影響が小さく,実行形式,メモリ管理といった構文に与える影響が大きい言語クラスは,与える影響が大きいという結果が得られた.これらの結果は,異なるプログラミング言語間でのコードクローン規模は異なり,また,プログラミング言語の構文的類似性や特徴等がコードクローン規模に影響を与えている可能性があることを示唆している.
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