本研究では,ある企業におけるソフトウェア開発におけるレビュー作業の質がソフトウェアの最終品質に与える影響を分析する.レビュー作業の質を単位レビュー工数当たりに発見,除去された不具合の総数で測ることにし,メトリクスQLY_γで表す.一方,ソフトウェアの最終品質を出荷後6ヶ月間に発見された不具合の総数で測ることにし,メトリクスSum_fで表す.まず,メトリクスSum_fの値が0とそうでないプロジェクトの間でメトリクスQLY_γの値に有意な差があることを順位和検定で示す.次に,メトリクスQLY_γの値に基づいてメトリクスSum_fの値が0になるかどうかを推定するためのロジスティック回帰モデルを構成する.更に,実際のプロジェクトデータを利用した適用実験でこの回帰モデルの有効性を示した.