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オープンソースC++プロジェクトにおける型推論autoの利用傾向に関する実証的調査
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Abstract

C++11 で導入された型推論キーワードauto には,広く用いるべきとする立場と,型の明示性を重視して限定的に用いるべきとする立場が併存している.しかし,実際のC++プロジェクトにおいて,autoがどの程度普及し,どのような宣言で選択されるかを宣言単位で調べた知見は限られている.本研究では,Debian ソースパッケージを起点とした1,257 個のオープンソースC++プロジェクトから1,336,640 件の通常変数宣言を抽出し,Clang AST 静的解析によりauto 利用の普及,宣言文脈との関連,リポジトリ間差異を分析した.分析の結果,宣言ベースの採用率は2.93%にとどまり,auto 使用の74.44%は上位10%のリポジトリに集中していた.一方,auto が任意に選択可能な472,738 宣言では採用率は8.10%であった.範囲for 文とラムダ式本体では,採用率はそれぞれ62.73%,61.92%であった.交絡を調整した後も,範囲for 文で+61.1 ポイント,ラムダ式本体で+29.4 ポイント,キャストで+17.3 ポイントの採用確率差が観測された.これに対し,変数寿命や参照回数など宣言後の利用を表す特徴量の効果は相対的に小さかった.これらの結果は,C++のauto が新しい標準的な宣言形式として一様に普及しているのではなく,宣言時点で型情報を復元しやすく,かつ明示型の記述コストが高い場面に集中して利用されていることを示す.
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