Go 言語はGoroutine やChannel を用いた強力な並行処理機能を提供するが,その非決定的な振る舞いはプログラムの動作理解を困難にする.既存の可視化手法は,パフォーマンス分析が主目的で情報過多であったり,ソースコードとの対応関係が不明瞭であったりする課題があった.本研究では,Go 並行プログラムの構造と実行順序の理解を支援するため,関数呼び出しとGoroutine 生成の関係を可視化する手法を提案し,その有効性を検証することを目的とする.提案手法では,ソースコードの静的解析による計装と,実行トレースの動的解析を組み合わせる.これにより,関数とGoroutine の実行イベント履歴から因果関係を抽出し,動的コールグラフとして構築・可視化するシステム「Gousal」を実装した.本システムは,利用者が対象プロジェクトを選択するだけで,ソースコードへの手動変更なしに解析から可視化までを自動で行う.Gousal を用いることで,関数レベルの実行順序とGoroutineの親子関係がグラフとして直感的に表現され,開発者は複雑な並行プログラムの振る舞いを容易に把握できる.これは,並行処理に起因するバグのデバッグや,既存コードの理解を促進し,開発効率の向上に貢献する.