ソフトウェアテストは品質保証の中核を担う活動であり,特にホワイトボックステストはソースコードの内部構造を分析し体系的にテストケースを設計する手法として実務で用いられている.しかし,初学者にとってホワイトボックステストの習得は容易ではない.初学者はコード記述に注力するあまりテストを軽視し,制御フローグラフやカバレッジといった抽象的な概念の理解に苦慮する.本研究では,初学者を対象としたホワイトボックステスト学習支援システムを開発し,テストケース設計能力の向上を支援することを目的とする.本研究で提案するシステムは,制御フローグラフを「ダンジョンマップ」で視覚化する.学習者はソースコードを読み,テストケースを設計し,カバレッジ0%から100%を目指す実務に近い作業を体験する.テスト実行結果は実行パスのアニメーション表示により即座にフィードバックされ,入力と経路の因果関係が明示される.評価指標として業界標準であるステートメントカバレッジと分岐カバレッジを採用し,これらを継続的に測定・表示することで実務におけるテスト進捗管理の感覚を養う.ランキングシステムにより競争要素を導入し,学習意欲の維持を図っている.本研究では,制御フローグラフのダンジョンマップ化,即時フィードバック,段階的難易度設定,ゲーミフィケーション要素の統合により,初学者がカバレッジ概念を実践的に学習できる環境を実現した.テストプレイにより,システムの基本的な動作と学習者の理解可能性が確認された.一方で,振り返り機能の追加,直近パスの識別性向上,難易度調整,チュートリアル実装などの改善課題も明らかになった.本システムが,ソフトウェアテスト教育の質向上と,初学者のテストスキル習得に貢献できることを期待する.