プルベース開発モデルでは,プルリクエスト及びコードレビューがソフトウェア品質の向上に重要な役割を果たす.GitHub を始めとする共同開発プラットフォームは,プルリクエスト機能やコードレビュー機能を提供し,プルベース開発を支援している.本研究では,プルリクエスト及びその特徴とソフトウェア不具合混入の関係について調査する.始めに,プルリクエストに含まれるか否かと不具合混入の有無でコミットを分類し,2 つのカテゴリ間の関係を調査した.次に,プルリクエストから特徴量を抽出し,不具合を混入したプルリクエストと不具合を混入しなかったプルリクエストの特徴量に差があるかを調査した.最後に,機械学習モデルを用いてプルリクエストの特徴量から不具合混入の予測を行い,モデルの性能の評価及び特徴量の重要度を調査した.調査の結果,不具合の混入に関してプルリクエストに含まれるコミット群と含まれないコミット群で有意差が確認された.また,プルリクエストに含まれるコミットは,プルリクエストに含まれないコミットよりも不具合混入率が僅かに低いことが確認された.次に,プルリクエストの特徴量についての調査では,不具合を混入した群と混入しなかった群で特徴量に有意差が確認された.最後に,機械学習モデルを用いたプルリクエストの特徴量からの不具合混入の予測では,コードの追加行数と修正か否かを示す特徴量が予測に寄与していることが確認された.