Rust はメモリ安全性をコンパイル時に保証するプログラミング言語である.ただし,低レベルなシステムプログラミングなどのために安全性の検査を無効化することができる.この安全性の検査を無効化する機能はUnsafe Rust と呼ばれ,その誤用は脆弱性につながる可能性がある.本研究では,Rust プログラムにおけるメモリ安全性バグとUnsafe コードパターンの関係性について分析を行った.コードパターン分類ツールであるQrates を用いてUnsafe コードを目的別に分類し,メモリ安全性バグを含む可能性のあるコードを検出するRudra を用いて検出することで,各Unsafe コードパターンの特徴とメモリ安全性バグの関係性の傾向を明らかにした.分析の結果,外部のデータ型で表現された値をRust の型システムで扱える値として再解釈するコードと,パフォーマンス最適化のために直接的なメモリ操作を行うコードが,メモリ安全性バグを含む可能性があることが明らかとなった.