Yuya Nakano, Osamu Mizuno, Tohru Kikuno, Yoshiyuki Anan, Mataharu Tanaka
ソフトウェアプロジェクトにおいてレビューを行うことは品質確保の面から
重要な作業とされている.一方でレビューには相応の工数がかかるため,コ
ストの面からはあまり長い期間レビューをすることは好ましくない.しかし,
レビューを行う効率を高くしすぎるとレビューが乱雑になり,最終的な品質
の向上があまり期待できない.そのため,レビューの効率とレビューによる
指摘密度の関係について分析し,これらが後工程での品質にどう影響を及ぼ
しているかについて調べることで,適切なレビュー効率でレビューが行われ
ているかを判定する条件を発見できると考えられる.
まずSEPGが関連性があると感じていた2つのメトリクス(レビュー効率とレビュー
指摘密度)に注目した.そして,これらのメトリクスに関連した仮説「レビュー
指摘密度がある条件を満たさないプロジェクトは,後工程での品質が悪くなる
傾向がある」を示すことを本研究の目的とする.
この仮説を検証するために,実際の企業の開発現場から収集された500件のプロ
ジェクトデータを使用して分析を行った.その結果は,レビュー効率に対して
レビュー指摘密度が大きいプロジェクトでは後工程での残存不具合数は多くな
る,というものとなった.よって,この仮説の正しさを確認できた.また,実
際の開発現場への適用法も提案した.
中野 裕也,水野 修,菊野 亨,阿南 佳之,田中 又治
Yuya Nakano, Osamu Mizuno, Tohru Kikuno, Yoshiyuki Anan, Mataharu Tanaka
486
SEC journal
SEC journal
11
4
10-17
0
コードレビューの密度と効率がコード品質に与える影響の分析
Analysis on Impact of Defect Density and Efficiency of Coding Review to Software Quality
http://ssl.ohmsha.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=4-SEC-00008-0
2
2006
Osamu Mizuno, Shinji Kusumoto, Tohru Kikuno
実際のソフトウェア開発では,前の工程の作業が完全に終了しないうちに,次の工程の作業が見切り発車して並列実行されることが多い.こうした並列実行をした場合のソフトウェア品質への影響についてはほとんど議論がなされていない.一方,我々は拡張一般化確率ペトリネットを用いてソフトウェア開発プロセスを形式的にモデル化し,シュミュレ-ションによって評価する方法を提案している.本稿では,このモデルを開発プロセスの並列実行に適用し,開発時間,残存フォ-ルト数への影響を定量的に評価する.
水野 修,楠本 真二,菊野 亨
電子情報通信学会技術研究報告
249
5
77-78, SS97-9
33-40
3
ソフトウェア開発プロセスの並行実行に対する拡張一般化確率ネットに基づく評価
Application of Extended Generalized Stochastic Petri-net Model To Parallel Execution of Design and Coding Activities
97
1997
中野 裕也,水野 修,菊野 亨,阿南 佳之,田中 又治
Yuya Nakano, Osamu Mizuno, Tohru Kikuno, Yoshiyuki Anan, Mataharu Tanaka
487
SEC journal 優秀論文賞
0
8
コードレビューの密度と効率がコード品質に与える影響の分析
Analysis on Impact of Defect Density and Efficiency of Coding Review to Software Quality
2006